本格的にホームページやブログを立ち上げるためには、サーバーを借りてドメインを取得する必要があります。ただ初心者の場合、レンタルサーバー選びの際に遭遇するサーバーやドメインなどの用語の意味や仕組みが、そもそもわからないこともあるでしょう。ここでは、ホームページやブログを開設したい初心者のために、レンタルサーバーの種類とその仕組みをわかりやすく解説していきます。
1.レンタルサーバーの種類について知ろう
Webサイトやメールシステムの機能を提供するためには、必要なソフトウェアやデータを持つためのコンピューターが必要です。これをサーバーと呼び、Webサイトにアクセスしてきた各ユーザーの要求に応じて、必要な情報を提供する機能を持っています。
サーバーを自分で立ち上げることもできますが、専用のコンピューターやOS、及びソフトウェアを適切に設定し、トラブル対策、メンテナスを行う必要があり負担が大きいです。そのため、通常はレンタルサーバーを借りてサイト運営を行います。
1-2.サーバーの種類とメリット・デメリット
1-2-1. 共用サーバー
レンタルサーバーの中でも最もポピュラーなタイプであり、初心者が利用しやすいサービスです。1台のサーバーをユーザー複数で共用しますので、比較的安い費用で利用できます。OSや利用環境もあらかじめ設定されているので、ゼロからサーバーを構築するよりも手間や時間を節約できるメリットがあります。
一方、同じサーバーの共用グループに属する利用者の中にヘビーユーザーがいると、回線の帯域(簡単に言えば、通信速度のこと)やハードウェアリソースの大半を占有されてしまいます。その場合、動作が重くなったり、通信回線がタイムアウトになってしまったりといったデメリットがあります。
1-2-2. VPS
VPSは1台のサーバーを複数のユーザーで共有する点で、共用サーバーと同様ですが、ユーザーごとに仮想専用サーバーが割り当てられる点で異なります。インストールされているソフトやOSが独立しており、ユーザー間の干渉がないため、専用サーバーと同じような使い方ができる点で自由度があります。
しかも、専用サーバーを使うよりも安い費用で利用可能です。ただし自由度がある反面、必要なソフトウェアのインストールや設定を自分で行う必要があるので、共用サーバーと比較して導入の難易度が高くなります。
1-2-3. 専用サーバー(サーバー管理者権限あり)
専用サーバーは、1台の物理サーバーをユーザーが独占して使うことができる契約であり、高速大容量、高い自由度などハイスペックな環境が提供されます。したがって、共用サーバーやVPSよりも拡張性や性能の面で有利です。しかも、他のユーザーの影響を全く受けない環境に魅力があります。ただし費用が高いことや、正確な運用をするために専門的な知識が必要なので、初心者にはハードルが高いと言えます。
1-2-4. 専用サーバー(サーバー管理者権限なし)
専用サーバー(サーバー管理者権限なし)は、1台の物理サーバーをユーザーが独占して使うことができ、共用サーバーと同様に、OSや利用環境もあらかじめ設定され、サーバー事業者が運用管理を行います。共用サーバーの使い勝手で、1台の物理サーバーをユーザーが独占して使うことができる分、共用サーバーに比べ費用がかかります。
種類/項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
共用サーバー | 利用環境があらかじめ設定されている。サーバーを構築・運用する手間や時間を節約できる。 | ユーザー複数で共有するので、影響を受ける場合がある。 |
VPS | 仮想化技術により、各ユーザーにCPUやメモリが割り当てられ、独立している。 | 必要なソフトウェアのインストールや設定を自分で行う必要がある。 |
専用サーバー(管理者権限あり) | 1台の物理サーバーを独占して使うことができる。他のユーザーの影響を受けない環境。 | 必要なソフトウェアのインストールや設定を自分で行う必要がある。 |
専用サーバー(管理者権限あり) | 1台の物理サーバーを独占して使うことができる。サーバーを構築・運用する手間や時間を節約できる。 | 共用サーバーに比べ費用がかかる。 |
詳しくはこちらの記事もご覧ください。
2.サーバー選びのポイントと注意点をチェック!
レンタルサーバーを選定する上で、必須とも言えるドメインや転送量の意味とチェックすべきポイントをまとめました。
2-1.ドメインとレンタルサーバーの関係
サーバーは、ページの閲覧やメールを利用するためにシステムファイルやデータを配置するための領域です。また、複数のユーザーが訪問した際にリクエストに応じて、必要な情報の提供や処理を行う役目を担っています。
ドメインは、レンタルサーバーを契約するのとは別に、ドメイン業者から独自ドメインを取得する契約をします。サーバーがファイルやデータの置き場所だとするなら、ドメインはその場所を特定するための住所の役割を果たします。たとえば、Webサイトを表示するために、「http://○○.○○」のように記述したURLを指定する場合、○○.○○の部分がドメインに相当します。
ドメインとサーバーを関連づけるためにDNS(Domain Name System)があります。「http://○○.○○」のサーバーは「△△△」にあると示す住所録のようなものです。共用サーバーの場合、ドメインの取得や維持管理もレンタルサーバー事業者と契約すれば、DNSの設定を代行してくれるので安心です。
2-2.マルチドメインのメリットとデメリット
レンタルしているサーバーが1契約であっても、複数のドメインを設定してそれぞれ別個のWebサイトを作ることができます。これをマルチドメインと称しますが、サーバーの契約によっては、作れるドメイン数に上限が設けられるケースと無制限のものがあります。
2-2-1. マルチドメインのメリット
1ドメインに1契約でサーバーを借りるよりも、1契約で複数のドメイン(サイト)が運営できるため費用が安く済みます。また、複数サイトを一括管理できますので、散漫にならず便利です。
2-2-2. マルチドメインのデメリット
1つの物理サーバーに依存していますので、もしサーバーにトラブルが生じて動作が不安定になると、契約に紐付く全てのマルチドメインサイトの運営に影響が及ぶ恐れがあります。さらに、物理サーバーは1台なので、大量のマルチドメインサイトを運営している場合にサイトの表示速度が遅くなる可能性があります(ただ、レンタルサーバー業者によっては、ドメインごとに利用するサーバー領域を区切る仕組みが構築されているケースもあります)。
2-3.転送量について理解を深めよう
Webサイトを運営する際、サーバーがユーザーに提供できるデータ量の上限(転送量)も確認しておきましょう。ここで言う転送量とは、ユーザーがWebサイトを閲覧、もしくはメールを送受信した際に、ユーザーに転送した全てのデータ量を指します。そして1ヶ月あたりどの程度の転送量が上限となるかは、GB(ギガバイト)などで表現します。
日々のサイトへの訪問者が多く、アクセス数が多い場合は、転送量も大きくなります。マルチドメインで複数サイトを運営する場合も、合計の転送量が対象になる場合があります。もし契約しているサーバーの転送量を超える場合は警告を受けますので、その際はサーバーのプランを変更するか、サイトの運営方法の見直しを迫られることになります。さらに転送量超過の状況が改善されず繰り返し警告を受けるようになると、利用停止などのペナルティが科せられる場合があり注意が必要です。
また、転送量が超過するような場合は、ユーザーがサイトを閲覧する際の表示が重くなってしまい、表示不可の状態に陥る可能性があり適切な配信が維持できなくなる場合があります。したがって、大量のアクセスを集めるようなサイトを運営する場合は、サーバーの転送量の上限に注意を払う必要があります。
まとめ
サイト運営をする際に必要となるレンタルサーバーの種類と仕組みについて解説してきました。スペックと費用のトレードオフがありますので、利用形態をよく吟味して最適なサーバーを選択することが大切です。
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